新型コロナウイルスに感染していることがわかった兵庫県丹波市在住の30歳代の男性は9日から、県立丹波医療センター(同市氷上町石生)に経過観察のため入院している。男性は無症状で、入院中の2度の検査でそろって陰性になれば、最短で12日にも退院する。経過観察中に発症したり、検査機関が混んでいるなどの理由で結果が出るまでに時間がかかる場合は、入院期間が延びる。
県によると、男性は2月16日に集団感染の疑いがある大阪市のライブハウス「Arc」で行われた音楽イベントに参加。3月9日に検査を受け、同日、陽性が確定した。行動歴などは、丹波健康福祉事務所(保健所)が調査中。濃厚接触者の把握も、同事務所で行っている。
当該男性のようなPCR(遺伝子)検査で陽性となったものの、発症していない患者は「無症状病原体保持者」で、厚生労働省の退院等基準によると、入院から48時間にPCR検査をし、そこで陰性と判定されると、12時間後に再度、PCR検査を行い、ここでも陰性であれば退院になる。
当該男性は9日夜に入院。厚労省の基準に照らすと、最短で12日中に退院する可能性がある。ただし、検体は朝採取して県内の検査機関に出すため結果が出るまでに時間がかかるほか、検査機関の混雑具合にも左右されるため、2度とも陰性でも入院期間が延びることもある。
丹波健康福祉事務所は10日、7人体制で濃厚接触者らへの健康状況を電話で聞き取った。あわせて住民からの問い合わせ電話の応対に追われた。