最多支給は30万円 市職員の振休未取得 割増賃金支払いへ1037万円補正予算

2020.03.16
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兵庫県丹波篠山市は市議会本会議に、市職員の振替休日未取得分に伴う割増賃金1037万円を追加する補正予算案を提案している。対象人数は正規職員373人、臨時職員78人で、最も多く支給を受ける職員は約30万円という。
 振休は、あらかじめ休日だった日を「労働日」に切り替え、ほかの労働日を休日にするもの。本来、働いた日の週のうちに休日が取得できない場合、規定労働時間を超える勤務があったことになるため、割増賃金の対象となる。しかし、市はこれまで、職員が自己都合で週のうちに休まないケースもあることから割増賃金は支払わない方針を示していた。
 しかし、市議や監査委員から適切な運用を求める指摘があったことから、改めて勤務実態を調査。昨年度と今年度の2年分について、振休を取得できなかった事例に割増賃金を支払う方針にした。実態調査の結果、2年間で正規職員に2万150時間、臨時職員に1709時間の未取得があり、条例、規則にのっとって割増賃金を算出した。この2年間で退職した職員も対象となる。
 市議会本会議では12月に振休問題について一般質問した市議から、「どのような経緯で支払うことになったのか」と質問があり、市は、「勤務実態の把握が不十分で、ルール通りに休日を取得できていない職員が多く存在したことから、調査分析をへて決定した」と説明。「方針を転換したのか」との問いには、「方針転換ではなく、精査した結果の判断。実態管理が不行き届きであったことは真摯に反省する」とした。
 また、2年分に限っていることについては、「賃金債権の時効は2年。今年度をもって精算したい」とした。
 同予算案を審議している予算決算委員会総務文教分科会で、市担当課は、「本来あるべきルールとなるよう、厳格に運用していきたい」とした。
 17日の同委員会全体会での審議をへて26日の本会議で採決される。

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