兵庫県の加古川漁業協同組合(渡辺昭良代表理事組合長)がこのほど、同県丹波市の稲土川で「アマゴ釣り大会」を初めて開いた。丹波、丹波篠山両市をはじめ、大阪や神戸などから老若男女54人が参加した。会場は、深い森の中にある浄丸神社境内を流れる渓流エリア。参加者は、同神社を基点に上・下流に分散し、「ここぞ」と見定めた瀬や淵に糸を垂らしてアマゴが食いつくのをじっと待っていた。
同組合は1976年から、毎年、アマゴの個体数保護のため、同川に稚魚75―100キロを放流しており、穴場として、一部の釣り愛好家には知られていた。しかし、同組合は、「もっと取り組みを広く知ってほしい」「地域の活性化にも寄与できたら」との思いから、初めて同大会を企画した。
深い森の中を縫うように流れ、大きな岩には大量の苔が付着し、木漏れ日が差すと水面が幻想的に輝く渓流で、参加者たちは、餌釣りのほか、ルアーを使うなど、さまざまなスタイルで「渓流の女王」に挑んだ。
「ヒットしたときの引きの強さがたまらない」とアマゴ釣りの魅力を語る男性は、竿に早速当たりがきたが、網ですくい取ろうとしていたところで逃げられてしまい、「わー」と声を張り上げ苦笑いしていた。
同県西脇市から参加した男性(67)は、「10年前ほどからこの場所を訪れている。野趣あふれる素晴らしいロケーションでお気に入りの場所。釣果は1時間ほどで6匹。まぁまぁかな」とほほ笑んでいた。
閉会式では参加者に、魚のサイズを競う大物賞、釣った魚の数と総重量を競う大漁賞などを贈り、好成績をたたえた。
渡辺組合長は、「今後、3月から5月上旬にかけて2回ほど、釣り大会をしていけたら。集落の皆さんとも連携させてもらい盛り上げていきたい」と話している。