”紫の幻想”コロナで非公開 「九尺フジ」名所の寺院 「安全確保できない」

2020.04.10
ニュース丹波市地域自然観光

ライトアップされ幻想的な雰囲気のフジ(昨年撮影)=2019年5月10日午後8時8分、兵庫県丹波市市島町白毫寺で

4月下旬からゴールデンウイークにかけ、紫色の長く美しい花穂の「九尺フジ」を目当てに、多くの観光客が多く訪れる兵庫県丹波市の白毫寺(荒樋勝善住職)が、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今シーズンは、広場のフジを非公開とすると決めた。ウイルスを持ち込まれ、感染が広がるリスクがあり、「安全を確保できない」と決断した。

今年は4月25日―5月15日に花見客を受け入れ、5月に「九尺フジまつり」を開く予定だったが、非公開とし、イベントも開催しない。

花を見て安らいでほしいとの思いから、受け入れも視野に検討を重ねたが、「安全を確保できない」と決断した。舞鶴若狭自動車道の春日インターチェンジ降り口や、同寺に至る道筋に看板を立てて周知する。

毎年、九尺フジの開花期間中、全国から見物客が訪れる。花盛りには、同インター付近から数キロにわたって渋滞が発生するほどの盛況ぶり。荒樋住職(59)によると、毎年3万人以上が花見に訪れるという。

参拝停止は一般客だけでなく、檀家も法事などを除き、境内には入れないようにする。荒樋住職は「断腸の思い。見に来てほしいが、仕方ない」と話している。

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