兵庫県丹波市クリーンセンターのごみ受け入れ量が、3月、4月ともに昨年より増えており、特に家庭系ごみの持ち込み量が大きく増えた。新型コロナウイルスに伴う外出自粛や休校で、自宅で過ごす時間が増えた影響とみられる。一方、4月の事業系ごみの量は減少し、緊急事態宣言や休業要請などの影響が表れたとみられる。
休業要請で事業系ごみは減少
家庭系ごみの持ち込み量は、昨年と比べ、3月は22・4%、4月は58・9%も増加した。持ち込み車両台数も、4月は昨年より約770台多かった。
3月以降、これまでで持ち込み件数が最も多かった日は5月7日と8日。いずれも333台の搬入車両があり、最大で2時間待ちとなった。
ごみステーションでの計画収集は、3月は7・9%増加した。4月は約4・4%減少したが、ごみの量の多い地域の収集日が昨年より1日少ないため、日数を合わせると、実際には5トンほど増える計算になるという。
同センターは、家庭ごみの増加について、「全国的に言われているように、自宅で食事をする機会が増えたことや、休校中の子どもの昼食やおやつなどが影響しているのだろう」とする。
また、4月以降、たんすなどの家財や粗大ごみを運び込む人が増えており、同センターは「緊急事態宣言が出されて以降、片付けごみが増えた。この機会に“断捨離”をしているようだ。会社が休みになっているためか、平日の持ち込みも多い」とする。
一方、事業系ごみの搬入(直接搬入と、事業系が大半を占める許可業者搬入を合わせた量)は、昨年と比べ、3月は4・4%の増だったが、4月は10・9%減少した。緊急事態宣言後に、店舗や会社などの営業を自粛したためとみられる。
同センターは、「仮に新型コロナウイルスの感染者が出たとしても稼働を止められない施設」と気を引き締め、予防策として、作業員がマスク、手袋に加え、今月からゴーグルも着用している。
同センターは、ごみステーションでのごみの出し方について、作業員への感染予防のため、▽パッカー車で袋が破れることがないよう詰め込み過ぎない▽使用済みのマスクやティッシュはごみ袋に直接入れず二重袋にして入れる―の2点の協力を呼びかけている。
また、家庭ごみの持ち込みが増える中、「初めてだがどうすればいいか」と尋ねる電話も多いと言い、同センターは、「ごみステーション収集と全く同じ分別をして持ってきて」としている。
「体に気をつけて」メッセージが複数
新型コロナウイルスの感染に注意しながら、市民生活を支えているごみ収集作業員らをねぎらう手紙が、丹波市内のごみステーションでも複数見つかっている。
同市市島町の廃棄物収集運搬業「ケイ・エス」は、これまでに3枚の手紙を“発見”した。
手紙にはいずれも、感謝の言葉と、「体に気をつけてがんばって下さい」などのメッセージが書かれていた。
最初に見つけた同社の大下豊さん(60)は「見つけたときは何とも言えずうれしかった」と笑顔。上田隆さん(44)も「これからもがんばってやっていこうという気持ちになりました」と話す。同社の井上克巳社長(55)は「みんなの励みになります」と喜んでいた。