兵庫県丹波篠山市西町のギャラリースペース「陶々菴(とうとうあん)」と、隣接する空き家の2会場で、男の子が無事に成長することを願って飾る「五月人形」計4体などが展示されている。新型コロナウイルスの影響を受ける中、今年は「コロナ撃退」の願いも込めて装飾。夜間には建物内の明かりをつけたままにする“ライトアップ”を行い、レトロな町並みにほのかな光が差している。
3月の女の子の伝統行事「ひなまつり」が脚光を浴びる中、男の子の祝いの日である端午の節句にも注目し、文化を見つめ直してほしいと、同ギャラリーの今村俊明代表(70)が、4年前から始めた。空き家での展示とライトアップは今年が初めて。
空き家スペースには、市民から募ったかぶとやよろい、弓矢などが3段で陳列され、ちまきやかしわ餅、金太郎の飾りも並んでいる。壁には全長3メートルほどのこいのぼりも飾られている。陶々菴には、今村さんが生まれたときに祖母が買ってくれたというかぶと1体を展示している。
母と弟と訪れ、人形に興味津々だった小学4年生の男の子は、「今まで見たことなかったけど、すごく強そう。自分の部屋にも飾ってみたい」と笑顔だった。
旧暦の端午の節句に合わせ、6月5日まで展示する。ライトアップは午後9時まで。