特殊詐欺(架空請求)を未然に防いだとして、兵庫県丹波市の丹波警察署(高橋浩樹署長)はこのほど、同市内3つのコンビニ店の店員3人に感謝状を贈った。いずれの事案も、高額な電子マネーを購入しようとしたお客の様子に不審な点を感じ、声をかけて詐欺を防いだ。
同署によると、ファミリーマート丹波青垣店の矢持恵利子さん(44)は4月23日午前10時ごろ、来店した市内の60歳代女性が30万円分の電子マネーを購入しようとした際、電話をかけながら支払いをしようとしたことや、声をかけても通話状態を保ったままだったことなどを不審に感じたという。
女性に電子マネーの使用目的を聞くと、「電話会社から、インターネットサイトの未納料金を支払わないと電話回線を止めると言われている」と答えたという。女性によると、同日、女性の携帯電話に実在する電話会社を名乗るショートメールが入り、記載の電話番号に連絡したところ、電子マネーを購入するよう指示があったという。矢持さんは女性に、店の電話を使って携帯電話販売店に確認を取ってもらうと、詐欺であることがわかった。
矢持さんは「高額な購入には気をつけていた。未然に防げてよかった」と話した。高橋署長は「犯罪の働きかけが増えているが、市民の防犯意識が高くありがたい」と話していた。
同署によると、同署管内では今年、計6件の特殊詐欺を防いだ事案があった。