兵庫県丹波市内の小中高校が1日、再開した。「新しい生活様式」を踏まえた学校の行動基準に基づき、同市の青垣小学校は目安の身体的距離「1メートル」を確保するため、もともと1学級ずつの5、6年生をそれぞれ2グループに分けた。半分の児童は、隣の教室でオンラインで授業を受けている。堀博文校長は、「そばにいながら一緒に過ごせないもどかしさが教師にも児童にもあり、難しい。『新しい生活様式』と言うものの、できることなら早く元に戻ってほしい」と望んでいる。
6年生は通常学級が38人、特別支援学級が8人。46人分の机が教室にあり、どう工夫しても「1メートル」の身体的距離が確保できないため、グループ制をとった。
空き教室に古いスチール机を持ち込み、Bグループの教室にした。1日おきに、教師の目の前で授業を受けるグループと、オンライン授業を受けるグループが入れ替わる。
教師は、A教室で授業をし、そのようすを会議ソフト「Zoom」で半数の児童がいる隣のB教室に配信。B教室の児童は、スクリーンに映し出される動画を見ながら学ぶ。B教室の隅に設置したカメラでB教室の様子がA教室の教師の手元のパソコンと電子黒板に表示される。教室にはマイクが置いてあり、マイクが音声を拾うよう「声を張る」必要がある。教師は、両方の教室の児童に挙手を求め、発表させている。
担任の植山康弘教諭は「このやり方で十分授業を進められる。それでもやはり、直接全員の顔を見て反応を確かめながら授業をしたい」と言う。
Bグループの女子児童は、「映像が止まったり、音が聞こえなかったりしてやりにくさはある。これまでの授業が100点だとすると、70点くらい」と言い、Aグループの女子児童は「やりにくさはないけど、みんなで授業を受ける方がいい」と話していた。
5年生は通常学級40人、特別支援学級3人で、教室に机が43並ぶ。
15日から通常運営に戻っても、文部科学省の行動基準が変わるまで、5、6年生のグループ制授業を続ける。