昨年10月に兵庫県丹波市内で開かれた元文部科学事務次官・前川喜平さんの講演会で、市教育委員会が、主催団体を構成する一部の団体を「政治活動と認められるもの」として後援依頼申請を許可しなかったことについて、岸田隆博教育長がこのほど、適正な手続きではなかったとして「申請団体に不快な思いをさせ、心からおわびする」と謝罪した。今後、申請団体に直接会ってわびるとした。
同日の市議会定例会の一般質問に答えた。
市教委によると、実行委の構成団体に「ひょうご丹波・憲法を生かす会」と「丹波市9条の会連絡会」が含まれており、市教委は「政治活動の恐れがある」として、教育長決裁で不許可とする専決処分を行った。
これまで後援・共催願いは、許可・不許可にかかわらず専決処分し、定例の教育委員会で報告していた。不許可を不当とする実行委の有志グループには、今事案も同様に扱ったと説明していた。
しかし、この日の答弁では、再度、市教委の「後援等名義使用許可に関する要綱」の趣旨などを見直した結果、専決処分をせずに市教委の会議にはかるべきだったと説明し、謝罪した。
岸田教育長は、「後援することで(政治的)中立性を疑われる恐れがあるとして判断した」とし、「申請時に団体の活動内容などを真摯に伺い、意見を交換して判断すべきだった」と答えた。