兵庫県丹波市の上空を21日夕方、軍用機が轟音とともに飛行し、複数人が目撃した。同市春日町で日食の観察をしていた細見隆昭さん(43)が撮影に成功した。形から米軍の戦闘機「F-18(ホーネット)」系の機体と見られる。欠ける太陽を撮影しようと手元に用意していたカメラでとっさに撮った。細見さんは「日食を狙っていたのに、戦闘機が撮れるなんて」と、予定外の被写体に驚いている。同市上空で、戦闘機が低く飛ぶのは異例。
細見さんは午後4時から観察を開始。午後4時28分、2機の姿を確認し、慌ててシャッターを切った。機体から遅れ、ものすごい轟音が山に響いた。
2機は同じような高度で並行して東から西へ飛んで行った。
細見さんは、トルコの日本人学校で勤務していた2016年に、国軍によるクーデター未遂事件に遭遇。そのときに戦闘機を見ており、「一目で分かった」と言い、戦闘機の爆音を「あのとき以来」と話していた。
この後、自宅近くに移動し、なお観察を続けていたところ、午後4時58分、南の空から西へ旋回する戦闘機2機が見え、再び姿をカメラに収めた。30分前に見た機体より高い高度を飛んでいた。
最初の機体と、2度目の機体が同じ物かどうかは不明だが、いずれも西へ機体を向けており、岩国基地(岩国市)へ向かったと見られる。
F―18は全長17メートル、最大時速1915キロ。「ホーネット」はスズメバチの意。岩国基地のほか、空母の艦載機として配備されている。