おもちゃ直す「ドクター」登場 「内科」に「入院」、修理して「退院」へ 機械研究部の高校生

2020.07.11
ニュース丹波篠山市地域地域

壊れたおもちゃの修理を担う「おもちゃドクター」となる機械研究部の新保部長、梅田さん、久恒副部長(左から)=2020年7月3日午後6時21分、兵庫県丹波篠山市小枕で

「思い出のおもちゃ、直します」―。兵庫県丹波篠山市の篠山産業高校機械研究部の3人が、11日に多世代交流施設「アグリステーション丹波ささやま」で開かれるチャリティバザー内で、「おもちゃドクター」となり、壊れたおもちゃの修理を担う。同校の卒業生で、同施設の改修を手掛ける西尾雅子さんが「ラブコール」を送り、今回の企画が実現。同部の新保雄大部長(3年)は「依頼されたおもちゃは全て直したい」と意気込み、「直ったおもちゃを手に取り、笑顔になってもらえたら」と話している。先着予約制。

「ドクター」は、同部(通称「キカケン」)の、新保部長、久恒聖尊副部長(2年)、広報担当の梅田花菜愛さん(2年)の3人。

事前に、同部のインスタグラムへ「電源が入らない」「スイッチが壊れている」など、おもちゃの「症状」と写真を送付する。その上で「治療可能」と判断された場合、11日に白衣の生徒たちがおもちゃを預かり、承諾書に記入後、「入院」となる。2週間―1カ月ほどの間に修理して「退院」となり、同施設で持ち主へ引き渡す。

修理は同部の活動時間内で行い、はんだごてや溶接道具などを用いる。新保部長は「傷などの『外傷』は治せないが、電源が入らない、音が出ないなどの『内科』の分野なら治療できる」と話す。

既に3日時点で、犬のおもちゃ2つと、プラレール1台の「入院」が決まっている。

4人の子を育てる西尾さんは、「思い入れのあるおもちゃが壊れていく様子を見て、切ない気持ちになっていた」といい、おもちゃの修理企画を思案していた。技術者を探していたところ、今年3月のイベントで同部のメンバーらと知り合い、意気投合。「この子たちの技術なら、おもちゃを直せるのでは」と顧問に企画を提案した。

西尾さんは「子どもたちの、『モノを大切にする気持ち』の醸成にもつながる」と期待し、「高校生たちには、おもちゃを直せたことを自信にしてもらい、未来につなげてほしい」とほほ笑む。詳細は「HOKKORI」「キカケン」のインスタグラムなどで。

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