各地で豪雨による災害が発生し、雨が話題に上ることが多い。「朝方の雨、ひどかったね」「そうでもなかったよ」の会話が会社でも交わされる。493平方キロの面積がある兵庫県丹波市は、雨雲のかかり方や風の向きで、場所によって雨量が随分異なる。市の観測によると、8日未明から朝にかけての雨でも、市内で2倍強の差があった。市内ではアメダス1カ所を含め計32カ所の観測点がある。「うちの辺りで、どの程度降っているのか」、観測結果の見方を紹介する。
気象庁のアメダスの観測地点が「木の根センター」(同市柏原町下町)の隣にあり、市の公式雨量はここの値になる。
これとは別に、市、県、国土交通省の観測点がある。観測条件や機器が異なり、気象庁ほどの精度はない。
丹波市は、防災行政無線デジタル化に合わせ、異常気象時の市内情報の収集に役立てようと、市内17カ所で独自に降水量を調べ、市が管理するウェブサイト「丹波市 オープンデータ公開サイト」で公開している。
地図上で、地点を選択すると、24時間の1時間あたりの雨量がグラフで表示され、見やすい。毎時更新される。
興味深いデータだが、ひっそりと掲載されており、情報のありかを見つけづらい。市の担当に照会すると「善処を検討する」との返答だった。
また国土交通省が4カ所、県が10カ所で観測しており、アメダスも含め「国土交通省 川の防災情報」のサイトで閲覧できる。交通規制や河川への影響を調べるためのデータで、同市内の竹田川、加古川、柏原川、葛野川、篠山川沿いに観測点がある。10分雨量、1時間雨量、降り始めからの累加雨量が表示されるが、欠測が多い。
これとは別に国交省は、河川の水位を観測しており、自治体が住民に避難情報を発令する際のデータに使われている。
パソコンやスマートフォンを使わなくても、地デジテレビの「d」ボタンを押すと、丹波市の雨量が文字情報で表示されるチャンネルがある。