熱中症対策「あの手この手」 小中学校、長期休校で夏休み短縮 ”暑い盛り”に登下校も

2020.07.08
ニュース丹波市地域

新型コロナウイルスによる臨時休校の長期化で、兵庫県丹波市内小中学校の夏休みが今年は16日間(8月8―23日)と短くなり、例年なら休み期間の「暑い盛り」に登校することになるため、各校は熱中症対策に気をもみ、「あの手この手」で取り組みを模索している。気象庁は今夏を「暑い夏」になると予想しており、市教育委員会は「前例にとらわれない対策が必要」との姿勢を示している。児童生徒を暑さから守るための各校の対策を調べた。

市教委は小中学校の活動方針として、熱中症が危惧される状況では活動を延期または中止と定め、各校に通達している。具体的には、気温35度、暑さ指数(WBGT)31度以上の場合は運動を原則禁止に。このラインに達しなくても、状況を見ながら行事内容の一部変更や休憩時間の確保、小まめな水分補給などを呼び掛けている。

これらを踏まえた上で、各校が独自の対策を講じている。小学校では、日よけを目的に雨傘で登下校したり、冷たいタオルや保冷剤など冷感グッズの活用、塩分補給タブレットを配布するなどしている。中学校でも、教室のクーラーを早めに稼働させたり、授業中の水分補給を認める学校もあり、柔軟な対応を取っている。

ランドセルやめナップサックOK

 

下校前に冷水を補給してもらう児童。ナップサックを背負い、メッシュの帽子で対策している=2020年7月2日午後2時47分、兵庫県丹波市氷上町絹山で

北小学校(黒田睦美校長)は、ランドセルでの登下校は背中が蒸れ、暑さを感じやすいことからナップサックの使用を許可。半数近い児童がナップサックを活用している。さらには、黄色の通学帽子より通気性が良かったり、日差しを防ぐ効果がある帽子をかぶってもよいとした。下校前には、希望者の水筒に冷水を補給している。黒田校長は「北小学校区は広く、1時間以上歩く児童もいる。少しでも負担を軽くしてやらないと」と気を配る。

日傘や雨傘登下校も

日傘で下校する児童たち=2020年7月1日午後3時1分、兵庫県丹波市春日町黒井で

黒井小学校(内田順子校長)は、同校とPTAで日傘を購入し、全児童に貸与。傘をさすことで周囲との距離も取ることができるため、登下校中はマスクを外している。内田校長は「一番暑い午後2―3時ごろに下校する。校内はクーラーもあるが、登下校中の熱中症をいかに防ぐかがポイントになる」と話す。

和田中学校(吉川景敏校長)は、暑さ指数を「見える化」して危険度を生徒に知らせようと、掲揚柱近くに簡易ポールを設け、28度を超えると黄色、31度を超えると赤色の旗を上げている。主に屋外で活動する部活動や、体育の授業時に生徒や教諭が確認している。同校によると、7月2日時点で「赤」はないが、「黄色」は数回あったという。

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