兵庫県内最大の民謡と踊りの祭典で、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となった同県丹波篠山市の「丹波篠山デカンショ祭」に代わる動画配信イベントが15日、インターネット上で開催された。市民だけでなく、全国各地の人々が自宅で視聴。伝統の「デカンショ踊り」の投稿動画などを楽しみ、”おうち”で祭り気分を味わった。
イベントではデカンショを踊る動画をつなぎ合わせた「数珠つなぎ動画」や、市観光交流部長で、デカンショ節保存会員でもある赤松一也さん(55)が、同市西野々から国史跡・篠山城跡までの約17キロを13時間かけて踊りながら進む生配信企画などを実施。また、フィナーレには市内6カ所でシークレット花火が打ち上げられた。
投稿動画は、地元住民だけでなく、市外、また海外からも寄せられ、コロナ禍の中にあっても楽しめる企画として、たくさんの人々が動画を投稿。楽しそうに舞う姿に動画のコメント欄には、「こんな時でもどこからでも楽しめますね」「元気をもらった」などの声が寄せられた。
同祭は、「デカンショ、デカンショで半年暮らす」の歌詞で知られるデカンショ節に合わせて踊る祭典。毎年8月15、16日に国史跡・篠山城跡三の丸広場で開かれ、2日合わせて約7万人の来場がある。
歌って踊り、「密」にならざるを得ない祭のため、今年は中止を決定。その後、市などで構成する祭振興会は、「何もしなければデカンショを楽しみ、全国にPRする機会がゼロになる」とし、配信イベントを企画した。