兵庫県丹波篠山市の盆の風物詩で、県内最大の民謡と踊りの祭典「丹波篠山デカンショ祭」が新型コロナウイルスの感染防止を目的に中止となったことを受け、祭に代わる動画配信イベント「15時間オンラインデカンショ」が15日に開催される。イベント内である意味、”目玉”の一つと言えるのが、市観光交流部長で、デカンショ節保存会員でもある赤松一也さん(55)が、同市西野々から篠山城跡までの約17キロを13時間かけて踊りながら進む企画「あかまっちゃんと踊る13時間耐久デカンショ」。”踊る部長”に意気込みやデカンショにかける思いを聞いた。
デカンショ踊りは、「デカンショ、デカンショで半年暮らす」の歌詞で知られるデカンショ節に合わせて舞うもの。
―なぜこのような企画をすることに
今回のオンラインデカンショは「24時間テレビ」をイメージしています。24時間テレビといえば「マラソン」。ならば、デカンショでそれをやれば、と。始めは冗談かと思っていました。祭をやめるのは簡単。けれど、やめたら「ゼロ」。とにかく「何か」をして、今後につないでいくためにがんばるしかないと。
―デカンショとのかかわりは
昭和62年に入庁し、企画課に配属されました。当時は、「役場の人間は踊るのが当たり前」。気が付けば保存会に入り、もう33年になります。
―踊ることの意義は
正直に言って、以前はただ踊っていただけだったけれど、丹波篠山市が日本遺産になってから考え方が変わりました。「日本の宝」として受け継いでいくという使命感が出てきましたね。
―コロナでかつての祭は難しくなった
寂しいけれど、だからこそ、これからのデカンショやイベントのあり方を考える上で、今回の企画を成功させたいと思っています。
―炎天下も予想される
水分補給と小まめな休憩を心掛けます。後は、少しでいいので沿道のみなさんが声援を送ってくれたらうれしいですね。
―市民にとってどんな企画にしたいか
こんな世の中で、正しいかどうかも分からないけれど、できる範囲で、「何かしよう」と思ってもらえたら。