たまった新聞にもしや… 独居高齢者の救助に貢献 新聞配達員に善行表彰

2020.09.03
地域

森江署長から「のじぎく賞」を受け取る松尾さんと家族ら=2020年8月24日午後3時7分、兵庫県丹波篠山市郡家で

兵庫県篠山警察署はこのほど、同県丹波篠山市内の独居男性(72)の命を救ったとして、新聞配達員の松尾紳司さん(31)に善行者をたたえる県知事表彰「のじぎく賞」を贈呈した。

同署によると、8月7日午後3時50分ごろ、松尾さんが新聞集金のため、男性が住む住宅を訪れたところ、郵便受けに3日分の新聞がたまり、駐車場には男性の車が停まったままだった。不安にかられた松尾さんは、外から男性宅へ電話をしたり、呼び鈴を鳴らしたりしたが応答がなかったため、110番通報した。

同署員と市消防本部の救急隊員が現場へ駆け付けたところ、室内で衰弱し、倒れている男性を発見。声をかけても反応がなく、病院へ搬送された。

発見当時は、呼びかけに対し、わずかに体を動かす程度の重篤な状態だったが、現在は快方に向かっており、命に別条はないという。

大阪出身で、丹波篠山市に移住して2年目という松尾さん。男性とは日ごろから、好きな酒や昔の丹波篠山の話など、たわいもない世間話を交わす仲という。「男性の命が助かってよかった。今後、同様のケースがあればすぐ通報したい」と話していた。

森江満署長は「もう1日、発見が遅れていたら危なかったと担当医師から聞いている。早い通報をしていただき、ありがたい」と謝辞を述べた。

関連記事