台風9号の風で枝が揺さぶられた3日、早生のクリが落果し、日本一高級な丹波栗産地の兵庫県丹波市内の生産者は、栗拾いに追われた。
丹波市丹波栗振興会長の足立義郎さん(67)は、早生品種「丹沢」を拾った。茶色に色づいたイガが割れ、中からクリが顔をのぞかせる収穫適期のものは少なく、大部分が青いまま。「ちょっと早い。あと数日、落果せずがんばってくれていたら収穫しごろだったが、仕方がない」と、火ばしでつかんでポイっとかごに投げ入れていた。
「丹波栗」の代表品種の「銀寄」は、9月中旬から下旬に収穫のピークを迎える。
同市は8月の雨量が平年の7%という極端な日照りで、実が膨らまない病気が出ているところに、6―7日にかけて超大型の台風10号の風雨の影響が見込まれる。
足立会長は、「銀寄はまだ熟していない。何とか落果せず、やり過ごしてくれたら」と、気をもんでいる。