9月21日は敬老の日。兵庫県丹波篠山市はこのほど、酒井隆明市長らが市内の101歳以上の人のもとを訪れ、記念品を贈呈する「長寿祝福訪問」を行った。
104歳で、男性最高齢の波部時雄さんは、入居する施設のロビーで記念品や花束を受け取り、「思いもよらないことで、本当にありがとうございます」と喜んだ。
大正5年生まれの波部さんは、太平洋戦争中、中国での戦闘やシベリア抑留を経験。過酷な強制労働の中で、多くの仲間が命を落としたが、自身はなんとか生き抜いた。
帰還後は村役場職員や会社員として一家を支えた。退職後は老人クラブ活動やゲートボール、社交ダンスなど多方面で活躍。散歩やカラオケ、書道を楽しみ、2017年には市内で開催されたNHKのど自慢に出場し、見事合格を果たした。100歳のころにパソコンを習い始め、いつか自伝を書くことを目指していたそう。
健康の秘訣は、「何もないけれど、私は思うままの男。思ったことは何でもズバズバ言います。おかげで恥もたくさんかいてきた」とにっこり。今も「歩くこと」を心掛け、昨秋、施設に入居してからも廊下を歩いて足腰を鍛えているという。
戦争、また抑留を経験した身として、戦後75年には、「今は平和で、あれから一番良い時期だと思う。ずっと、ずっとこの平和が続いてほしいと思っています」と話していた。