「池の水抜く」にも活躍 サイフォン式ポンプ開発 災害防止や農業用にも

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サイフォン式ポンプのユニットと、開発者の近藤忠宏さん=2020年9月24日午後1時6分、兵庫県丹波市春日町東中で

隙間のない管を使って、吸水地点より高い地点を通って、吐き出し地点へと液体を導くサイフォンの原理を使い、燃料・動力を使わず、ため池の水を抜く「サイフォン式ポンプ」を、兵庫県丹波市内の金属機械部品加工事業所が開発した。老朽化し、使われていないため池が全国に多数あり、「大雨予報時の事前放水に使って被害の未然防止に役立ててもらえれば」と話している。

動力・燃料なしで連続稼働

三尾マシナリー(同市春日町国領)の近藤忠宏代表(63)が開発した。水に浮き、逆止弁が付いた吸水口、ホースの中に水を満たしホース内の空気を抜く注水口、レバーを開閉する吐水口の3つのユニットに、ホースをつなぐ。注水口を堤防に置き、吸水口が吐水口より高い位置になるようにセットする。

稼働に燃料が必要な水中ポンプと異なり、サイフォン式は高低差が保たれていれば、連続で吐水でき、ランニングコストがかからないのが特長。塩化ビニール製で軽く、1人で持ち運びでき、短時間で設営ができる。

吸水ユニットを浮かべ、注水口からホースに水を注ぎ、抜気すれば準備完了

水利組合でため池の点検中、複数の池の貯留水が農業水利に利用されていないのを目にした。古い池は、杭を栓にする「呑み式」で、放流の際に水の中に入って杭を抜くのが危険だとして使われていなかった。「サイフォン式なら水に入らなくても水を抜ける。古いため池を改修工事するにも時間がかかる。それまでの間に使ってもらえれば有効」と考え、開発した。

近藤さんの性能実験によると、3インチ(直径75ミリ)のホースで落差2・5メートルの場合、1分あたり約480リットル、1時間29立方メートルの排水能力がある。

日照りがひどかった今年の夏は、同市春日町の田んぼに水をあてるのに、同ポンプが使われた。池でなくても、落差があれば、小川や用水路から取水が可能。

受注生産。秋田、山口、奈良の農家からかん水用に注文が入っている。

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