兵庫県丹波篠山市郡家の「丹波篠山市場」で3日、同市産のマツタケが初競りにかかった。出荷されたのは5本(計95グラム)で、地元の老舗料理旅館「丹波篠山 近又」が52万円で落札。キロ単価にして547万円で、”秋の味覚の王様”にふさわしいの超高値となった。
いずれもつぼみの状態で、大きいもので長さ8センチ、傘の直径が3センチ。ご祝儀相場に加え、今年は天候が悪く、全国的に大不作となっていることなどから価格が高騰した。
丹波の里山に明るい話題を届けてくれるマツタケだが、今年、国際自然保護連合(IUCN)が公表した、絶滅の恐れがある野生生物を分類する「レッドリスト」で「絶滅危惧種」に分類された。
同店支配人の松尾健吾さん(37)は、「珍しいものになっていることを改めて実感します」と言い、「丹波篠山を代表してみなさまに良いマツタケを提供することが使命。今後の豊作に期待したい」と話していた。宿泊者に土瓶蒸しや贈答品として提供する予定という。