ベトナム人に人気の場所とは… ブドウ園で休日、まるでお花見 ケーキやカラオケ持ち込みも

2020.10.27
ニュース丹波市地域地域

ブドウ狩りに訪れたベトナム人女性たち。「女性記念日」を祝うケーキを持ち込み、宴会を楽しんだ。男性は園主の樋口さん=2020年10月18日、兵庫県丹波市市島町上垣で

兵庫県丹波市市島町の「三ツ塚観光ブドウ園」が、在日ベトナム人コミュニティーで人気のお出かけスポットになっている。このほど、京都府の舞鶴市や綾部市から11人が訪れ、ケーキやカラオケマイクを持ち込み、落葉し、青空がのぞくブドウの木の下にシートを広げ、休日の楽しいひとときを過ごした。

10月20日の「ベトナム女性の記念日」祝いを兼ねた集まりで、もぎたてブドウと共にお祝いのケーキを味わい、現地のヒット曲を歌って、日本のお花見のように盛り上がった。

企業の技能実習生や、新たな在留資格、特定技能を持つ人らが来園。園主の樋口彰さん(61)によると、3年ほど前から来園するようになった。この日の団体客もリピーター。

会社の世話役や同僚ら日本人に連れられてきたベトナム人が、SNS(交流サイト)で発信。樋口さんも、楽しむベトナム人来園者の写真を撮影し、コメントをベトナム語で書いてもらって、自園のインターネットページで宣伝。情報を知った人が次から次へと訪れる好循環を呼び、兵庫、京都、大阪から電車でやって来る。

「お客さんは日本語が上手だから、意思疎通は困らない」と樋口さん。「シンチャオ(こんにちは)」、「ンゴン(おいしい)」など2、3のベトナム語を覚え、歓迎の意を表し、親しく接している。

ブドウはベトナムにも豊富にあり、日本のブドウほど甘くはないという。皮が緑色のブドウが人気で、同園では、フジミノリよりベリーAが好まれている。甘いブドウが苦手で、持参した塩をかけて食べる人もあるという。

丹波市内の企業の同僚に連れられ、同園でブドウ狩りをしたことがあるベトナム人女性は、「食べ放題で自由に楽しめる所は少ないから」と人気の理由を話した。

ベトナム人は近年急増しており、国内に約41万人。国籍別で、中国、韓国に次いで3番目に多い。丹波市内は9月末で331人が暮らしており、国籍別で最多。

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