プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が26日、東京都内のホテルで開かれ、兵庫県丹波篠山市立篠山東中学校出身で明石商業高校3年の中森俊介君が、千葉ロッテマリーンズから2位指名を受けた。オリックス・バファローズから3位指名を受けた同校の来田涼斗君と共に同校体育館で記者会見に臨んだ中森君は、「本当に指名してもらえるか不安だったけれど、指名していただいて少しほっとしている」と安堵。両親や地元への感謝の言葉も述べ、「今まで応援してくれた方、支えてくださった方々の期待に応えられるよう、チームでの役割を全うしたい。いずれは沢村賞(シーズンの最優秀投手に贈られる特別賞)を取りたい」と決意を語った。
新型コロナウイルスの影響を考慮し、中森君と来田君は別室で指名を待った。2人の指名を待つ間、指名後の会見会場となる体育館には異様な緊張感が漂っていた。
指名後、2人は体育館に移動。報道陣から無数のフラッシュがたかれながら、やや緊張した面持ちで狭間善徳監督らと共に入場した。
会見で中森君は、「プロに入った気持ちを一番誰に伝えたいか」と問われると、「この18年間、プロ野球選手になりたいという夢を一番近くで応援し続けてくれた両親。『今までありがとうございました』という感謝と、『これからもよろしくお願いします』と伝えたい」と、父・博さん(42)と母の美幸さん(42)にプロの世界での活躍を誓っていた。
入団する千葉ロッテマリーンズについては「ファンの方々が温かくて、選手と一緒にプレーしているイメージがある」と印象を語った。
目標を聞かれると、「1年目から15勝したい」と高みを見据え、昨年入団した最速163キロの剛腕・佐々木朗希投手から「160キロの投げ方を教えてもらいたい」と目を輝かせていた。
生まれ育った故郷への思いについて問われると、「自然がいっぱいで暮らしやすく、そこで自分も人間的に成長できた。地域の方々も温かいし、その応援があって自分もいつも以上の力を発揮してプレーすることができた」と感謝を口にした。
会見後はグラウンドに移動。約2年半、苦楽をともにしたチームメートたちから祝福を受け、少し硬かった表情をようやくほころばせていた。
狭間監督は「これから厳しい道になると思うが、覚悟を決めて頑張ってくれるのでは。できるだけ長い間、プロで活躍できるよう願っている。球団の信用、信頼を勝ち取ってもらい、かわいがってもらえるような人になってほしい」と話していた。
中森俊介(なかもり・しゅんすけ)右投げ、左打ち。182センチ、88キロ。丹波篠山市立福住小学校時代に地元の「多紀野球少年団」に入団。その後、篠山東中学校では軟式野球部に所属し、3年夏からは硬式野球チーム「三田ボーイズ」でもプレー。明石商業では、1年夏からベンチ入りを果たし、4度甲子園に出場。2年時は春夏共にエースとしてチームを4強に導いた。ストレートの最速は151キロ。球種はスライダー、カーブ、スプリット、チェンジアップ、カットボールなど。