兵庫県丹波市消防本部はこのほど、同本部の訓練場で廃車を用いた交通救助研修を行った。7トントラックが事故を起こし、乗員がつぶれた車体に挟まれて車内から出られないという想定で実施。署員らは一つひとつの行動を声に出し、他の署員と意思の疎通を図りながら、レスキュー用資機材でフロントガラスを割ったり、ドアを取り外したりする訓練に汗を流した。署員14人が参加した。
同本部によると、近年、車の安全性能が向上し、事故発生時、車を破壊して乗員を救出する事案が少なくなった反面、ボディ剛性が高まったことで救出時の破壊にテクニックが必要になっているという。
そこで座学だけではイメージしづらい救出活動のノウハウを、実体験を通して学ぼうと、運送業の石見サービス(同市柏原町)から提供を受けた7トントラックを用いて訓練に臨んだ。
消防士4年目の井上祥一さん(22)は、「実際の現場でも経験のない訓練だった。トラックは普通車と比べ、車体が大きいので、ドアを一つ外すにも、高さも重さもあって危険を伴った。良い経験になった」と話した。