来年4月から兵庫県丹波篠山市の篠山幼稚園内で開所する市立篠山、たまみず(城北畑)、岡野3幼稚園の預かり保育施設について、市教育委員会が利用対象者104人に対して行ったアンケート調査では、定員60人に対して現時点で利用を希望する人は9人だった。最終的には11月に正式決定するが、市教委は、「希望されない理由までは分からないが、利用時間が影響しているのかもしれない。回答を提出されなかった人もいるので、いくらかは変動があると思う。もう少し増えることを期待したい」とする。名称は「こどものおしろ」とすることが決まった。
調査は今年7月に実施。3園の通園区域に住む3、4歳児の保護者を対象に希望を聞いた。回収率は77%(80人)だった。
利用を希望した9人の内訳は、たまみずが7人、岡野が2人で、篠山はゼロだった。
保護者会からの提案を受けて「こどものおしろ」とした預かり保育施設は、篠山幼稚園(篠山小校内)の遊戯室を活用。篠山以外のたまみず、岡野の園児たちは、幼稚園終了後、バスで移動する予定。
実施日は月―土曜で、夏休みなどの長期休業中も開所。休所は日曜、祝日と年末年始。
市内他園の預かりは午後6時半までだが、新施設の預かりは午後5時まで。他園にはある午前7時半―同8時半の早朝預かりも実施しない。市教委によると、人手不足の中で新たにスタッフを確保しやすい時間帯にしたためという。
施設面の改修はほぼなく、4歳児が昼寝をする際に、活動する5歳児と分けるためのパーティションの設置、備品の購入など。送迎バスの購入も含めた開設準備費用は約1200万円を想定している。バスについては、実際の利用人数を見て、新規で購入するか、現状あるものを活用するか検討する。
預かりの開設を巡っては、共働き世帯の増加などで近隣にある私立の2こども園は定員を超過する一方、現状、預かりがない3園は園児数が著しく減少していることから、昨年度、幼稚園の保護者らが「預かりがあれば、幼稚園の園児数も確保できるのでは」と酒井隆明市長に訴えたことが発端。行政と保護者、地域も交えた検討会を開き、開設を決めた。
預かりを希望した母親は、「少しの時間でもパートに出られるので助かる」とする一方、希望しなかった母親は、「預かりができたことはありがたいが、利用時間が現実的に厳しい」とした。