兵庫県丹波市が今年、車検(自動車検査登録制度)の有効期限が切れた公用車3台を公道で運転していた問題で、市は新たに3台が車検切れで走行していたことが判明したと報告した。計6台のうち、1台は自賠責(自動車損害賠償責任保険)が切れていたことも分かった。市によると、丹波警察署が運転者らに事情を聴取している。同署の聴取結果を待って、処分の対象者や程度を検討する。
市は最初の3台の車検切れが発覚して以降、さらに調査を進め、消防車両などを除く、一般業務に使用している307台を調べた。
新たに判明したのは、人権啓発センター1台、農業振興課2台(有害鳥獣、農業共済)で、いずれも軽自動車。各担当者は上司に報告していなかった。
同センターは、今年4月24日の車検満了日後に計22日間231キロを走行。期限切れに気付かず、45日遅れで車検納車後、業者からの連絡で判明した。
同課の1台(有害鳥獣)は7月26日の車検満了日後に計14日間664キロを走行、車検遅延日数は22日。車検満了日の確認が不十分だった。別の車両(農業共済)は、1月21日に車検が切れた後に、計4日間185キロを運転し、車検遅延日数は9日。車検業者を決定する財政課(当時)が有効期限を誤って認識して農業振興課に連絡せず、同課も業者から車検の案内が届いていたのに、法定点検の通知と思い込んでいた。
市は担当者が上司に報告していなかったことについて、「車検切れが法令違反になるという重大性の認識に欠けていた」と陳謝。再発防止策として▽車検満了日を庁内情報共有システムで案内▽公用車の「保管責任者」「車両担当者」の役割を明確化▽車検有効期限の1カ月前の入庫を励行▽車検後に車検証と自賠責証明書の写しを資産活用課に提出―などを挙げた。
同市の谷口進一市長は丹波署長と面談して謝罪したことを明らかにした上で、「職員個人だけでなく、管理体制にゆるみがあった。内部統制ができていなかった。市民に対し、申し訳ないという言葉では軽すぎると思っている」と頭を下げた。