お寺の本堂で語り合い、様々な考え方に触れる催し「Bows―Cafe(ボウズカフェ)」がこのほど、100回目を迎えた。兵庫県丹波市氷上町横田の青蓮寺(荒木伸雄住職)と、同町小野の無量寺(河口珠輝住職)を会場に、2012年から月1回のペースで行われており、参加者が「生き方」をテーマに語る日もあれば、他愛もないことを話す日もあり、それぞれが様々な価値観に触れることで「心を整える場」にしている。
両寺で交互に開催しており、両寺の住職も語り合いの輪に加わる。毎回15人ほどが参加。あらかじめテーマを設けず、その場の流れで何について話すかを決めている。
「生きる」について語り合うことが多く、悩める人が涙を流して心境を吐露し、それに対して他の参加者は真剣に耳を傾け、それぞれの思いを述べるなど、前向きになれるような雰囲気をつくり出している。
当初、荒木住職(56)らが中心となり、若い僧侶に仏道以外の世界にも触れることで視野を広げてほしいとの思いを込め、一般参加者との語り合いの場としてスタート。今は形を変え、参加者同士が新たな価値観を知る催しになった。過去には発達障がいや「うつ」の人の参加もあったという。
100回目のこの日、青蓮寺本堂に12人が集った。5回ほど参加している女性(33)は、「人間関係が広がるし、多くの考え方に触れられるのが何よりうれしい」と話す。河口住職(57)は「抱えている重たいものを下ろす場と捉えている。いつのころからか悩み多き人が参加するようになったが、互いが互いを高める機会になっているのでは」と語る。
荒木住職は「月1度でも思いを伝える場があるのは良いこと。一度でも多く開催できたら」と話している。
フェイスブックで開催を告知している。