「お宝発見!」芋掘りに歓声 泥にまみれて収穫体験 都会っ子が楽しむ

2020.11.03
ニュース丹波篠山市地域地域

サツマイモ掘りを楽しむ子ども=2020年10月17日午前10時56分、兵庫県丹波篠山市今田町黒石で

兵庫県丹波篠山市今田町の小林正幸さん(61)のほ場でこのほど、京阪神の家族約90人がサツマイモ掘りを楽しんだ。雨が降るあいにくの天候だったが、乳児からお年寄りまで雨がっぱを着て、泥にまみれながらも、「宝探しみたい」「バナナみたいな形のお芋が取れた」などと収穫を楽しみ、静かな山村ににぎやかな声を響かせていた。

サツマイモ菓子店をチェーン展開する会社「白ハト食品工業」(本社・大阪府守口市)が、「らぽっぽファーム」のブランドで実施する「おいも株オーナー制度」の収穫イベント。

サツマイモの苗を購入し、オーナーとなった都市住民が、5月に苗植えを体験し(今年は新型コロナウイルスの影響で中止)、10月に収穫を楽しむ内容。同制度は、同町黒石のほかに、茨城県行方市、東京スカイツリータウン、宮崎県都城盆地、鹿児島県種子島、福島県楢葉町の全国計6カ所の農場で導入しており、計約4000株が購入された。小林さんのほ場では、昨年に続き2回目。今年は159人がオーナーとなり、「丹波紅甘」という品種の苗を40アールで栽培した。

収穫体験では、小林さんに芋掘りのこつを教わりながら、土の中のサツマイモを探した。見事に掘り当て赤い芋が顔をのぞかせると、「あったー」「わあ、大きい」などと歓声をあげていた。

収穫体験後も、「丹波篠山ならではのおもてなしを」と、オプションで黒枝豆狩りや丹波焼陶芸体験を実施したり、丹波栗と黒豆のポン菓子を目の前で作ったり、そばや豆腐を振る舞ったりして参加者を楽しませた。

小林さんは「限界集落に近い黒石にこれほどの大人数が集まることはまずない。地域の有志が都会の人たちに楽しんで帰ってもらおうと、あの手この手の催しを考え、協力してくれて、うれしい限り。将来は集落の事業として盛り上がっていけば」と夢を描いている。

同社の永尾俊一代表取締役社長は、「大阪から1時間半以内で来れて、農業体験のほかに、ぼたん鍋や温泉、陶芸などのたくさんの観光も楽しめるエリア。オーナーの反応もすこぶる良い。農村と都市をつなげ、丹波紅甘のブランド化も進めていきたい」と話している。

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