予防栄養学を研究している東海大学健康学部の森真理准教授らが、兵庫県丹波市内4小学校の5年生を対象に、子どもたちの尿から食生活の状況を調べる研究を行っている。休みの日で、尿を採取する日を学校ごとに設定し、家庭で24時間分を採取してもらい、食塩やたんぱく質の摂取量、尿中のナトリウムとカリウムの比率などを分析する。結果は個人に通知され、森准教授は「見た目では分からない栄養状態を知ることで、将来の病気リスク軽減にもつながる」として協力を呼びかけている。
各小学校で、9―11月に説明会を開き、同意が得られた家庭に協力を依頼して実施している。
研究のねらいは、成人では世界的に確立されている、尿から栄養状態を調べる簡易法が、子どもにも当てはまるかどうか検証することという。武庫川女子大学国際健康開発研究所との共同研究。
上久下小学校では、10月31日に説明会があり、森准教授らが、児童と保護者らに研究の実施方法や目的などについて話した。
また日本の中高生男女の食育健診で、一番リスクが高い項目が「高血糖」だったことなども紹介。「スポーツドリンクの飲み過ぎや、甘いお菓子の食べ過ぎからきていると考えられる」とし、血糖値が高くなり過ぎないために、▽ご飯を玄米にするなど炭水化物の質を選ぶ▽主食・副菜・主菜をしっかり取る▽よくかむ▽糖の吸収を穏やかにする酢の物と一緒に食べる―などの食べ方を心掛けるよう話した。