任期満了に伴う丹波市長・市議会議員選挙が8日、告示された。投開票は15日。市長選に立候補した現職の谷口進一氏(67)、前市議会議長の林時彦氏(66)、元県職員の岩崎政義氏(65)の3氏(届け出順)が選挙事務所などで第一声を上げ、それぞれ支持を訴えた。市議選には23人が立候補した。
谷口氏「道の駅・丹波竜博物館整備を」
谷口氏は、約100人が集まった柏原町柏原の選挙事務所で第一声。「これまでの4年間がどうだったか評価が下される。ドキドキしている」と言い、「仮にあと4年務めさせてもらうと、(市発足から)ちょうど20年になる。そこに向け、きちっとした結果を出したい」と語った。
新型コロナウイルスの経済対策について言及し、「移住者に対する受け皿づくりが急がれる。春日町歌道谷の土地(市有地)を企業誘致の拠点にしたい」と述べた。若い夫婦、家族を呼ぶために子育て支援策の充実を訴え、「病児・病後児保育を実施したい。また、成長過程に応じた子育て支援公園を市内に10カ所以上整備したい」と話した。
最も力を入れたいこととして観光交流施策をあげ、「道の駅丹波おばあちゃんの里」のリニューアルのほか、山南庁舎を活用した丹波竜ミュージアムの整備などに取り組むとした。
統合新庁舎の建設については、「コロナの中で対応できるか検討するには、相当熟議を重ねる必要がある。みなさんの意見を十分にお聞きした上で、仮に進めるとしたら慎重な対応を心掛けたい」と話した。
林氏「コロナ対策で全市民に5万円還元」
林氏は、春日町黒井の選挙事務所で約110人を前に、「新庁舎はいらない。コロナ対策で5万円を給付する」と第一声を上げた。
「今回の選挙の一番の争点は統合新庁舎がいるのかどうか」と切り出した。「国のデジタル庁創設で、大きな変革があるのは間違いない。それを見極めてからでいい。ネットで(本庁、分庁舎、支所を)結び、住民サービスはできる」と、統合新庁舎は不要と訴えた。
さらに、市のコロナ対策を「予算はたてたが、実施率は30%ぐらいだった」とし、「全市民にもれなく5万円を還元する。水道代、子育て、福祉、家庭の中で足りないところにあてて」とした。「バラマキと言われるかもしれないが、色んな制度をつくっていたら間に合わない」と力を込めた。
このほか、「ごみ袋を半額にする代わりに、全市民でまちをきれいにし、我が子に帰って来いよと言えるまちにしよう」、実施を公約に掲げているデマンドタクシーの県立丹波医療センター直行便運行は、乗換などが必要な地域とそうでない地域があることは「不公平」と述べた。「市民に門戸を開き小さな声を聞き、市民に寄り添っていきたい」と締めくくった。
岩崎氏「丹波市から憲法改正の声届ける」
岩崎氏は、丹波ゆめタウンの敷地内で第一声を上げた。「国防に関する憲法を改正し、中国、北朝鮮から日本、丹波市を守りたいと思い立候補した」と出馬理由を語り、丹波市から憲法改正の声を届けたいと訴えた。
自身が県土木事務所に勤務し道路整備に携わった経験から、市の基幹道路である国道175号と176号、県道青垣柏原線などに歩道や自転車歩道を整備する必要性を説いた。「(整備されていないのは)人命軽視だ。住民や通学生徒の安全を確保すべき」と語った。
福知山市に抜ける市島町の「塩津峠」は大雨などでたびたび通行止めになると言い、バイパス化工事やトンネル化工事をすべきとした。氷上町の常楽と御油を走る県道福知山山南線の2車線化にも取り組むとした。
また、インターネット上のわいせつ画像の取り締まり強化も訴え、「(画像の掲載は)私たちを生み、社会を支えている女性の尊厳を踏みにじる行為だ」と力を込めた。
市の観光については、「おいしい米や小豆、黒大豆、山の芋、栗がある。桜や紅葉の名所も多く、もっとPRして全国の人に見に来てほしい」とした。
有権者数は男性2万5241人。女性2万7971人。合計5万3212人(7日の選挙人名簿登録者数)。
市議選の立候補者は届け出順に、井口元氏(38)、小川庄策氏(52)、山名隆衛氏(63)、太田喜一郎氏(68)、藤原悟氏(69)、酒井浩二氏(64)、西脇秀隆氏(70)、渡辺秀幸氏(68)、大西ひろ美氏(58)、吉積毅氏(57)、前川進介氏(42)、谷水雄一氏(43)、近藤憲生氏(59)、廣田眞由美氏(65)、西本嘉宏氏(73)、太田一誠氏(59)、須原弥生氏(58)、足立嘉正氏(60)、小橋昭彦氏(55)、大嶋恵子氏(65)、垣内廣明氏(71)、奥村正行氏(69)、根田敬介氏(42)の23人。