正月用のしめ縄作りが、兵庫県丹波市市島町徳尾で進んでいる。わらの香りが漂い、ラジオが流れる作業場に集落の70―80歳代の男性5人が集まり、世間話をしながら、手際よく縄を綯(な)い、一つひとつ丁寧に仕上げている。
町内の住民らから注文を受け、玄関や神棚、トイレ、井戸など水回りに飾る「めがね」「ごぼう」「七五三」をこしらえている。約850個を作るそう。
青みが強く見た目に美しいことから、地域でとれたもち米の稲わらを使用。「てんころ」と呼ぶ木槌のような道具でわらを叩いて繊維をつぶし、やわらかくした後、束にしたわらを両手でこすり合わせるようにして縄を綯う。
84歳の男性は、「今年は新型コロナの早期収束を願い、特に気持ちを込めて、みんなと一生懸命に作っています」と話していた。