タイの山岳地帯に住む少数民族の子どもたちの新型コロナウイルス感染防止に役立ててもらおうと、兵庫県丹波市立山南中学校の全校生127人が縫ったマスクがこのほど、タイの子どもたちの支援者に託された。年明けに現地に届けられる。
元中学校の保健体育教師の野村啓子さんに託した。野村さんは退職後、タイ北部、ラオスとミャンマーの国境に近いチェンライの少数民族の支援を自費で続けている。
9月下旬に講演で野村さんが来校した際、タイの話になり、同校の八木則久校長が、「生徒が手伝えることはないか」と申し出たところ、マスクのリクエストがあった。同校は、臨時休校中の今春、家庭科の宿題で全員が布マスクを縫ったことがあり、学校が用意した生地を使い、学年ごとにマスクを縫った。
1人1枚ずつ縫い、家庭科の武田清子教諭が縫った分と合わせ、ちょうど150枚にした。人気アニメ「鬼滅の刃」にちなんだ市松模様など、和柄の物も多く作った。
生徒会長の女子生徒は、「感染者が1人でも少なくなるように役立ててもらえれば」と話していた。
八木校長は「使い捨てのマスクではなく、洗って何度でも使える布マスクを希望された。ボランティアが盛んな山南中の伝統に沿い、生徒会が中心になって生徒に協力を呼び掛けてくれて良い取り組みになった」と喜んでいた。