サッカーJ3のアスルクラロ沼津(静岡県)が、兵庫県丹波市の柏原中学校出身で、鹿屋体育大学(鹿児島県)4年生のフォワード・伊藤龍生さん(22)の来季加入の内定を発表した。「プロサッカー選手になるという小さい頃からの夢がかなってうれしい。自分が成長できる最高の環境でがむしゃらにがんばりたい」と話している。
丹波市のジュニアチーム「柏原キッズFC」、ヴィッセル神戸U―15、米子北高校(鳥取県)出身。
同市の新井小学校4年生からサッカーを始め、6年生時はナショナルトレセンU―12関西に、柏原中学校1年生時にはナショナルトレセンU―14中日本メンバーに入った。
強豪の米子北高校に入学し、3年生時にはエースストライカーとして夏の全国総体8強に導くとともに、「プリンスリーグ中国」で得点王に。冬の全国高校選手権では1回戦で1アシスト2得点と活躍し、大会優秀選手34人に選ばれた。2月には日本高校選抜21人に入り、JリーグU―18選抜との対戦で1ゴールを挙げ、チームの勝利に貢献した。
鹿屋体育大学に入学してすぐにドイツ・デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会に出場する日本高校選抜メンバーに入り、ドイツのクラブチームとの対戦で1ゴールの決勝点を挙げた。
大学3年生時には「天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会」2回戦の名古屋グランパス(J1)戦で1ゴールを挙げ、大学生がJ1を倒す「ジャイアントキリング」(「番狂わせ」の意)に貢献。今年10月の天皇杯3回戦のヴェルスパ大分戦で1ゴール(1―2で敗退)を挙げる活躍も見せた。
伊藤さんは「コロナ禍で大会が少なく、(プロチームにアピールするのに)難しいシーズンだったが、天皇杯や九州のリーグ戦で出場した試合では得点することができ、思うようなプレーができた」と振り返る。
180センチの長身を生かしたヘディングや、どこからでもゴールを狙う積極性がもち味。「調子に乗らず謙虚に、今までお世話になった方々への感謝を忘れず、恩返しできるようにがんばる。泥臭く、がむしゃらに走り、とにかく得点にこだわってチームが勝てるように全力でプレーしたい」と話している。
伊藤さんのプロ入りに父・雄一さん(49)は「子どもの時からサッカーが好きで、がむしゃらにやってきた。あきらめずにやり続けてきた成果が実ってうれしい」と言い、柏原キッズ時代の監督で、現在は中学生チーム、FCコスモス(丹波市)の監督を務める稲次孝王さん(49)は「小学生時代からスピードがあり、シュート力があった。手を抜くことなく、がんばる姿が印象に残っている。それぞれの年代で、プロになるためにがんばってきたことが花開き、良かった」と祝福していた。