5万円給付公約の林新市長 市民から疑問の声も「良い方法考える」 早期決着の考え示す

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「5万円給付」公約について現時点の思いを語る林時彦次期市長=2020年12月3日午後5時31分、兵庫県丹波市氷上町成松で

兵庫県丹波市長選挙で当選し、7日に初登庁する林時彦氏(66)にこのほど、改めて選挙戦でサプライズ公約に掲げた「新型コロナウイルス対策として全市民に5万円給付」について現時点の考えを聞いた。林氏は選挙時、5万円給付の財源について、新庁舎建設計画を凍結し、市が新庁舎建設のために積み立ててきた基金を充てると主張。今回のインタビューで、約6万4000人分の約32億円に相当する財源は「ある」とする一方、「市民から疑問の声も聞いている。どういう方法が良いのか考える」とし、「年をまたぐ12月定例会会期中に議案を提案し、1月中に決着がつけられるよう努力する」と思いを語った。

―5万円給付は当選するためのバラマキでは、との批判がある。

バラマキでなく、市民に寄り添う施策だ。4月17日の議員総会(林氏は当時、市議会議長)で、3万円ずつ配ってはと意見した。丹波市は財源があり、給付できると思ったから公約にした。告示日までだまっていたのは、作戦だ。めどもないのに、当選目当てで言ったわけではない。当選が目当てだったら、「水道料金を半額にする」を公約にしている。水道料金半額を訴えて当選しても、実現ができないので、できないことは、公約にしなかった。

―全員に配るのでなく、対象を絞るべきだ、という意見がある。

対象を絞ると、漏れる人が出てくる。例えば、丹波市は、市内飲食店3カ所でそれぞれ2000円分の食事をすると、3000円分の「たんば共通商品券」と交換する補助事業をしたが、利用する人は何度もする一方、1人暮らしの高齢者が1つのお店で1度に2000円使うのはハードルが高く、事業の恩恵に預かりにくかった。例えばコロナでパート先が暇になり、休みが増えて所得が減っても、基準に合致しないと支援が受けられない。人それぞれ事情が異なり、「困っている度合い」をはかりきれないから、政府も最初は対象を絞って30万円と言っていたのを全国民に10万円にした。それが一番納得がいく形だ。「水道代を免除してほしい」と思う人は水道代に、「医療費に」と思う人は医療費に。コロナで不自由な暮らしを強いられているのはみな同じ。何かの足しにして、足しにした分は「丹波市に助けてもらったと思って下さいね」という発想だ。

―税収が年間80億円の市で32億円も配るなんてあり得ない、という批判がある。財政的に大丈夫なのか。

市の歳入は約400億円(2018年度普通会計)。家計に例えると、積み立て貯金(新庁舎建設のための基金)を崩し、国からのコロナ対策のお金(コロナ基金)も使い、足らずを年収(歳入)の一部から使おうというのが選挙時のプラン。市は、節約して事業執行するので、予算と決算に差が生じ、毎年数億円が浮く。これらを使えば、市の財政が立ち行かなくなるほどの影響はない。前々の市政で8億2300万円だった庁舎建設基金が、前市政の4年間で23億円に増えた。庁舎を建てるために積立額を増やしたからだ。積み立て額を増やしていなければ、市民サービスに使えていたお金だ。これらを市民に還元する考え方も、成り立つのではないか。

―市民の中には、「5万円を配るべきだ」「配らないなら公約違反だ」「庁舎基金を取り崩すのはやめた方がいい」「配らなくて良い」と、様々な意見がある。「議会で否決されるだろう」という市民もいる。

私は、新庁舎建設凍結を訴えて当選したのだから、庁舎基金を全部崩してもいいんだろうと思っていた。当選後、「新庁舎は不要だけれど、5万円を配るのには反対」という疑問の声を、考えを改めなければいけないのかなと思うくらいたくさん聞く。年明けの1月に、議会に関連議案を提案したい思いで調整に努めている。私が当初考えていたのとは別の財源、方法で実現する策もあるかもしれない。議会で可決されないことには市民に寄り添えないので、そのあたりを市の財政部としっかり調整し、「この線」というものを議員に示す。場合によっては5万円からいくらかの減額、現金ではなく商品券の給付と、選挙時とは幾分内容が異なるものを提案することになるかもしれない。仮にそうなったときは、市民にしっかり説明する。問題が長期化し、ワイドショー的に取り沙汰されることは好ましいことではない。市民生活に関わる大切な課題がたくさんある。そちらに集中できるよう、早く決着をつけたいというのが、偽らざる心境だ。

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