My助産師制度「うらやましい」 母親らリーフレット作成 自治体初の取り組みを紹介

2020.12.07
地域産科問題

リーフレットを寄贈した「ママのねフェスタ実行委員会」の委員と、受け取る関係者ら=2020年11月10日午前11時14分、兵庫県丹波篠山市網掛で

兵庫県川西市や猪名川町の母親らを中心につくる「ママのねフェスタ実行委員会」が、「My助産師」の普及・啓発を図るために作成したリーフレットに、同県丹波篠山市で8月から本格始動した「My助産師ステーション」の取り組みを紹介している。メンバーらは、「民間の助産院などにMy助産師はいるけれど、丹波篠山の取り組みは全国の自治体レベルで初めて。とてもうらやましいし、お母さんたちの希望の星です」と称えた。

My助産師は、妊娠から出産、産後ケアまで継続して1人の助産師が妊産婦に寄り添う。心身両面のケアに携わるもので、ニュージーランドやカナダのオンタリオ州などで制度化されている。

リーフレットは県の補助を受けて作成し、イラストを多用した4ページ建て。出産時に不安や孤独を感じたり、質問したくてもできなかったりしたケースを紹介しながら、My助産師の取り組みを取り上げ、「『ひとりじゃない』という安心感があります」と呼びかけている。My助産師のケアによって早産や流産などが減少したという研究結果も紹介した。

希望する市内全ての妊産婦に専属助産師が付き、出産や妊婦健診以外の場面で寄り添うなど、海外のMy助産師の簡易版といえる制度を始めた丹波篠山は、「日本での先進的な取り組み」の中に登場。仙台市の東北公済病院が取り入れている助産師指名制度と並んで紹介されている。

同実行委は、阪神北県民局の補助を受けて、今年、My助産師などを普及・啓発するイベントを企画していたが、新型コロナウイルスの影響で中止し、啓発用のリーフレットやすごろくなどを製作する取り組みに切り替えた。

代表の古宇田千恵さんとメンバーの鍛菜穂さん、古賀由樹さんがこのほど、丹波篠山市立丹南健康福祉センター内にある「My助産師ステーション」を訪問。リーフレット100部を寄贈した。

3人は、「My助産師の普及で、少しでも孤独になるお母さんが減り、出産をもっと楽しいものだと感じてもらいたい。丹波篠山の取り組みは素晴らしいもの。ぜひ盛り上がってほしい」と期待していた。

関連記事