小中学生に1人1台のタブレット端末を整備する国のGIGAスクール構想。兵庫県丹波市内の小学校で、児童への配布が始まったことを受け、端末を保護するケースを贈ろうと、段ボールシートを製造している神崎紙器工業氷上工場(同市氷上町)がこのほど、中央小学校を訪れ、試作品を児童に渡し、改良アイデアを聞いた。同社は市内全校に保護ケースを無償提供する意向。
特別教室や自宅に持ち帰って使うことがあり、持ち運び中に落として破損することを防ごうと、西田隆之校長が同工場勤務の同級生に相談。話が発展し、企業の地元貢献として協力が得られることになった。
同社包装設計課主任、今村浩久さん(36)が来校し、モニター役の児童会役員に5案を提示。児童は、角が当たって破損しないように、上げ底だったり、ふたが閉まるようになっていたりする試作品の使用感を確かめ、児童が「ふたはない方がいい」などと意見を出した。
今村さんは「『これでいいのかな』と想像で作るより、実際に使う人の意見を聞くのがいいと思った。ものづくりが一緒にできた」と喜んでいた。
段ボールケースは、すでに購入したタブレット収納用袋の中に入れたまま使う。学校によって袋のサイズが異なることから、それぞれの学校に合うものを贈る。
西田校長は「うっかり落としたり、角を当てたりする。何万円もするものなので極力、破損を防ぎたい。段ボールシートを2つ折りにして、プチプチの付いた緩衝材を貼り付けるぐらいの簡単なものを考えていたが、さすがにプロは違う」と感激していた。