中学「スキー学校」終了へ 昭和にスタートも雪不足 最終年はコロナで中止

2021.01.24
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卒業アルバムに残る青垣中学校のスキー学校のようす

兵庫県丹波市内の中学1年生の3学期の野外校外学習「スキー学校」が、今年度で終了する。実施時期の1、2月がインフルエンザの流行時期で、近年の雪不足もあり、予定通り実施できない年が多く、別事業に置き換えることに。最終年度の今年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で全校が中止。昭和の終わりから平成にかけて始まった事業は、静かに終わりを迎えた。

自然の雄大さや厳しさに触れるとともに、集団生活を通し、協調性や自立性を養う目的で、1月下旬―2月にハチ高原(同県養父市)で、2泊3日で実施していた。

近年は雪不足の年が多く、日程変更が付き物になっていた。学年末が近づく中の日程変更は教育課程編成上、難しく、インフルエンザの流行時期でもあり、生徒の体調管理など、何年か前から事業見直しが校長会の検討課題に挙がっていた。市教育委員会が負担していたインストラクター費用(昨年度で約377万円)の支出を削減したい意向もあり、今年度で事業を終えることにした。

足立幸広校長会長(氷上中校長)は、「所期の目的は達した。今年度は雪があり、インフルエンザも流行っておらず、条件が良かったのにコロナで中止になり残念だ」と話した。

今年度実施できなかった1年生の代替行事は、各校で考えることになる。緊急事態宣言下で制限があり、来年度に持ち越す見通し。

以前は臨海学校、生徒の希望で変更

同市内のスキー学校は、青垣中で昭和59年度(1984)に始まり、同校でノウハウを学んだ教師が転勤先で広めた。当初は2年生、就業体験「トライやるウィーク」(98年度から)が始まったことで1年生の行事になった。

導入を決めた当時の教師の一人、足立英俊さん(75)によると、「最終的にスキー学校に決めたのは、生徒」という。

前年度までは、7月初旬の臨海学校だった。7月の氷上郡(現丹波市)の総合体育大会前に日程を組んでいたが、梅雨の終わりの悪天候で順延になることもあり、総体との関係で日程が窮屈になり、見直しを俎上に載せた。

足立さんら何人かのスキーを楽しむ教師が、職員会議で多紀郡(現丹波篠山市)の中学校が先に取り組んでいたスキー学校を提案。当時、青垣中以外の学校が訪れていた奈良県明日香村への社会見学を推す意見とで教師間の話がまとまらず、生徒にアンケートをとった。圧倒的に支持されたのがスキー学校だった。足立さんは「2月に予定しておけば、雪不足の心配はなかったが、今は違う。中止は時代の流れでしょう」と話す。

荻野圭裕青垣中校長(57)は、新任の同校でスキー学校を体験。次に赴任した春日中で始めた。「青中の生徒は、うまかった。スキー場に近く、保護者や子ども会行事などで連れて行ってもらっていたんだろう」と、当時を思い起こした。

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