連携プレーで命救う 突然倒れた仲間を蘇生 テニスサークルの5人

2021.02.27
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命を救った5人に囲まれながら談笑する木戸さん(花束を持つ男性)=2021年2月21日午前10時9分、兵庫県丹波市柏原町母坪で

適切な救命措置によってテニス仲間の命を救ったとして、兵庫県丹波市のテニスサークルの5人にこのほど、市消防本部消防長から感謝状が贈られた。処置を受けた男性は当初、心停止で危険な状態だったが、居合わせた5人が119番通報やAED(自動体外式除細動器)の使用、心肺蘇生法を実施するなど、連携して蘇生につなげた。男性は、後遺症なく日常生活を送れるまで回復し、「お礼のしようがない」と感謝している。

感謝状を受けたのは、テニスサークル「サンデーズ」の望月宏子さん(65)、塚本文則さん(66)、足立圭子さん(50)、楠原健一さん(64)と、「PP’S」の蘆田崇晴さん(31)。救命措置を受けたのは、サンデーズの木戸勝則さん(69)。

同本部によると、1月3日、両グループは丹波の森公苑テニスコートで活動。午後1時ごろ、木戸さんが「しんどいから休む」と言ってベンチに腰掛け、すぐに倒れたという。

近くにいた望月さんが気付き、会場に医師がいないか声を張り上げたところ、蘆田さんが駆け付け、木戸さんの状態を確認した。蘆田さんはスポーツ専門の大学出身で、現役の消防団員でもあり、救急救命措置を学んだ経験があった。足立さんは即座に119番通報した。

木戸さんがいびきをかき、まもなく心停止が起こったことから、蘆田さんは心臓の異常を確信。塚本さんが管理棟から借りてきたAEDを使用し、望月さんと共に電気ショックを与えた。楠原さんは救急隊が到着すると、現場まで誘導した。

蘆田さんが心臓マッサージや人工呼吸をしたこともあり、救急隊到着時には木戸さんの心拍は回復していた。木戸さんは病院で狭心症と診断され、冠動脈を移植する約7時間に及ぶ手術を受けたものの、1月20日に退院した。

同本部で行われた表彰式では、中道典昭消防長から5人に感謝状が手渡された。木戸さんも出席し、花束を受け取った。蘆田さんは「元気な姿を見ることができて良かった」と安堵。木戸さんは「主治医から『一番の功労はテニスコートにいた人』と言われた。本当にすごいこと」と話していた。

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