「先輩、手紙届けるよ」 10年後の後輩が発送準備 切手値上がり分貼り付け

2021.02.09
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先輩に代わり、不足分切手を貼る作業をした生徒会役員。手紙は生徒の前にある缶で保管されていた=2021年2月4日午後5時2分、兵庫県丹波市青垣町小倉で

10年前、兵庫県丹波市の青垣中学校生徒会が同校50周年事業で取り組んだ、10年後の自分に託した手紙の発送準備作業がこのほど、同校であった。10年間で値上がりした郵送料の不足、切手4円分を、生徒会役員5人(全員2年生)が封筒に貼った。3月初旬に発送する。

2010年11月に在籍した192人が自分に宛てた手紙を、生徒会室で保管していた。封筒の宛名、差出人は自分で、宛先に自宅の住所を記し、80円切手が貼ってあった。手紙が収められていた缶のふたに、当時の生徒会役員の名前と「2020年11月前後に開封、郵送したいと思っているので、歴代生徒会は申し訳ありませんが、この缶を大事に生徒会室に保管を」と注意書きが貼られていた。

10年前に生徒会を担当していた土田武史教諭が、一度転出した後、再度同校に赴任。当時の生徒会役員に連絡を取り、手紙を発送するために連絡を取り合った。消費増税の影響で郵送料不足が分かり、久しぶりに集まって差額分の切手を貼る作業をする予定だったが、就職、進学でみな市外で暮らしており、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、現役の生徒会役員に作業を託すことに。当時の役員5人は作業に感謝し、「世界がこのような大変な時期になっていますが、どうか今しかない時間を精一杯楽しみ、大切にしてください」と、後輩にメッセージを寄せた。

現役の生徒会長は「なつかしがられるかな、驚かれるかな。僕らもこの企画ができたらいいな」と言い、土田教諭は「中学時代のことを思い出してもらえたら」と話していた。

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