LINEで心受け止める
10代の若者の心に寄り添って支援するNPO法人「若者メンタルサポート協会」(本部・東京都)のLINE相談員として昨年から活動している。ボランティアで常時10人以上を受け持ち、悩みを聞いたり、励ましたりしながら、苦しむ子どもたちを支えている。
2019年に東京から丹波市へ移住するも、関わるはずだったプロジェクトがとん挫。先が見えなくなっていたとき、ふと、以前知人から話を聞いていた同協会を思い出し、「今、自分にできることはこれかも」と相談員の面接を受けた。
1日に数回、協会のメールボックスをチェックし、相談者とやりとりをしている。「死にたい」と書く子がほとんどで、関わった100人以上の大半が女子。親からの虐待や言葉の暴力、ネグレクトなど、悩みの原因はほぼ家庭内の不和という。
「LINEだけの付き合いなので、どこの誰かも分からないが、他人ではないような気持ち。真剣に受け止め、かつての自分が大人から聞きたかった言葉をいつも考えて言うようにしている」
帰国子女で、6―11歳まで南フランスの現地校に通った。帰国後、日本の文化と学校になじめず、両親ともうまく分かり合えなかった。「生きづらさのかたまりだった。相談者たちを励ましながら、自分自身の過去も癒やしているのかも」
イラストやデザインの仕事が本業だが、言葉以外の領域を扱う自分だからこそできるコーチングやカウンセリングをやりたいと、カウンセラーとしての活動も始めた。心理学「NLP(神経言語プログラミング)」を勉強中。宮城県仙台市出身。