「和食に合うビール」 副原料に地元産米用い ホテルが地ビール「フレッシュで優しい後味」

2021.03.03
地域

副原料に地元産米を使い、本格販売を始めたクラフトビール「ササヤマエイト」=2021年2月27日午前8時41分、兵庫県丹波篠山市中野で

兵庫県丹波篠山市中野の丹波ささやまホロンピアホテルが、同市産コシヒカリを加えたオリジナルのクラフトビール「ササヤマエイト」(通称・S8)を、市内の醸造所で開発。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除されたことを受け、3月1日から本格的に販売を始めた。

同社が運営する居酒屋、ファミリーレストランの社員8人が醸造に関わったことから「エイト」と名付けた。和食に合うビールをテーマに、社員で何度も試飲を重ねた。特にホップにこだわり、「フレッシュで華やかな香り」にし、副原料に同市産のコシヒカリを使用することで、「すっきりと優しい甘みの後味」に仕上げた。

同市福住のクラフトビール醸造所「丹波篠山 旅路のブルワリー」に空きの発酵タンクがあることを聞いた同ホテルの山下由晶社長(52)が「料理とは違う商品開発に関わってみたい。丹波篠山のPRになれば」と、同醸造所と共に昨年10月に1回目の仕込みを行った。社員が原料を入れたり、タンク内の温度管理や、ろ過などの作業を手伝ったりした。

同醸造所の蔵で1カ月熟成させた生ビールは、持ち帰りや土産用の瓶(330ミリリットル)、同社が運営する居酒屋「はなぱら」「うえぱら」で出す樽に移し替えている。両店で出すササヤマエイト用のグラスも考え、「ホップの香りが立つように」と、細長いシャンパングラスのような形にした。グラスと瓶には古民家を改装した同醸造所の版画とコシヒカリをデザイン。版画は同県丹波市の版画家、渡辺トモコさんがデザインした。

山下社長によると、2月からのプレ販売以来、「香りが爽やか」「丹波篠山の土産に」と女性客や同ホテルの宿泊客に人気があるという。瓶ビール(同ホテルロビーで販売)、両店内での生ビールとも640円(税込み)。当分の間、お試し期間として390円で販売。

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