兵庫県丹波市氷上町清住で、「カタクリ」の群落が見ごろを迎えている。花びらを反らせてうつむくように咲く可憐な姿を見ようと、観光客やカメラマンらが訪れている。
ユリ科の多年草。かつては地下茎のデンプンから「片栗粉」が作られていた。花が咲くまでに7―8年かかり、早春に花を咲かせ、初夏には休眠に入る。そのはかなさから「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」の草花のひとつに数えられる。
雨や曇りの日にはつぼみのままで、晴れた日にしか可憐な姿が見られない。鑑賞に訪れていた常連の男性は「今年は当たり年。よく咲いています」と顔をほころばせていた。