武将の名が由来「クマガイソウ」 人知れずひっそり咲く 65年前から保護増殖

2021.04.26
地域

山中でラン科特有の特異な形の花を咲かせる「クマガイソウ」=2021年4月26日午前9時12分、兵庫県丹波篠山市内で

兵庫県丹波篠山市内の山中で、ラン科の希少植物「クマガイソウ」がひっそりと花を咲かせている。

高さ20―30センチに伸びた茎の中間あたりに子どもの手のひらほどもある大きな扇状の葉を一対付け、茎の頂に淡い黄緑色の花を一つ咲かせる。紅紫色した花の唇弁が特徴的。花の名前は、この袋状に膨れた唇弁の形を源平合戦で平敦盛を討った武将・熊谷直実が背負っていた母衣(ほろ)に見立てている。

市内の男性(95)が65年前、乱獲に遭った近くの自生地から残った1株を自分が所有する山林に移植し、殖やしてきたもの。県版レッドデータブックでは、絶滅の危険が増大している種を示すBランクに指定されている。

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