篠山混声合唱団団長 松尾俊和さん(丹波篠山市)

2021.04.04
たんばのひと

松尾俊和さん

無観客のホールで歌う

1950年に結成され、丹波篠山市内で最も長い歴史を持つ篠山混声合唱団の団長に先ごろ就任した。一昨年から篠山音楽協会の会長も務めており、地域の音楽文化を支える重責を担っている。「『長』になるのは尻込みしていたのに。どうも断り方が下手なようで」と苦笑した。

篠山鳳鳴高校を卒業後、関西大学に進んだ。入学した日、大学のキャンパスで混声合唱団の入団勧誘を受けた。「声をかけてきた女性が美人だったので、それにひかれて入団しました。合唱の世界に入ったのは不純な動機がきっかけです」とほほえむ。卒業後、帰郷。仕事が忙しく、合唱から遠ざかったが、篠山混声合唱団の団員から誘われ、81年に入団した。丹波篠山の音楽文化の草分け的存在だった高校教諭の波部初雄さんが結成した合唱団で、当時50人ほどの団員がいたなか、入団まもなくマネージャーの大役を受けた。以来、同合唱団の運営にかかわってきた。

昨年は結成70周年の節目で、春に記念リサイタルを予定していた。チケットの販売も始めたなか、新型コロナウイルスで一変。中止を余儀なくされた。それでも昨年12月、「残念会」と称したリサイタルを田園交響ホールで開いた。無観客のホールで、マスクをつけてステージに立ち、記念リサイタルで披露する予定だった曲などを歌った。「マスク着用なので声を出しづらかったけれど、久しぶりにみんなとステージで歌え、楽しかった」と振り返る。

男声合唱「丹波國」、童謡唱歌サークル「めだか」にも所属しているが、コロナのため練習が制約される現状。「思いっきり声が出せる日が早く来ることを願います」。69歳。

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