「一緒」に考え、喜び
丹波篠山市が4月1日から市社会福祉課内に開設した「障がい者相談支援センター」の相談員。障がいのある人や家族、支援者からの相談に応じ、福祉や生活、教育などさまざまな分野の部署とチームを組んで対応する。「高齢の親が障がいのある子どもを看ていたり、福祉サービスを受けていない人がいたりと、課題は複雑多様化している。微力だけれど、何でも一緒に考えることを大切にし、課題の掘り起こしや解決につなげていきたい」
大学卒業後、西宮市の福祉施設をへて、地元の社会福祉法人「わかたけ福祉会」に就職。就労支援などに奔走し、地域や企業に理解を求めて回った。やりがいは、「その人の持っている可能性が見いだせたり、新しい道が開けたりする瞬間。一緒に考え、喜ぶこともあれば、一緒に頭を抱えることもありますが」と苦笑する。
原点は、篠山鳳鳴高校時代。フィリピンの少数民族の支援・交流に取り組んだ際、コーディネートなどで世話になった日本人が、地元の人と一緒になって働き、支援している現場を目の当たりにした。「ボランティアは、『してあげる』と思いがち。でもその方は、なんでも『一緒』に取り組んでおられた。感銘を受け、私も悩みを抱える人や苦しんでいる人を支える仕事がしたいと思いました」
目指すのは、障がいがあってもなくても一人の人として地域で生きられる社会。「そのためには福祉と地域の垣根を低くすることが大事。まずは地域で暮らす障がいのある人とあいさつすることが一歩になる。気付きがあれば、ぜひセンターに相談してください」と呼びかける。39歳。