兵庫県丹波市の手づくり絵本作家、村上祐喜子さん(66)が絵を担当した絵本「だんごむしのおなら」が、京都新聞出版センターから発行された。作は、1級建築士で設計会社代表の松村正希さん(73)=京都市。村上さんは、松村さんとのコンビで4年前に「けむしのおなら」、昨年には「くじらのおなら」を出しており、おならシリーズとして3冊目になる。
村上さんによると、ダンゴムシは甲殻類で、「殻と殻とのすき間から気体を出すそうで、1時間以上、出ることもあるよう」という。最初、肛門に相当すると考えられる部位からオナラを出す絵を考えたが、県立人と自然の博物館の鈴木武副室長からダンゴムシの生態を聞き、体全体から気体が出ると知って、生き物の不思議に感心すると同時に、気体をオナラと捉えて、絵を描いた。
絵本には、ダンゴムシと「わたげちゃん」が登場。遠くへ飛んでいくための風をつかまえきれずにいるタンポポの綿毛(わたげちゃん)を、ダンゴムシが自ら放つオナラで風をつくり、綿毛を飛ばすというもの。子どものADHD(注意欠如・多動症)を思わせる内容も含んでおり、あとがきに「この絵本は、すべての子どもたちに、明日を素敵に生きて、未来を切り開いていく応援のメッセージになればと願っている」とある。
村上さんは「ダンゴムシも綿毛も子どもにとって身近なもの。ぜひ手に取って読んでほしい」と話している。1400円(税込)。書店で取り寄せできるほか、アマゾンでも購入できる。