兵庫県内ではまれとされる「コムギうどんこ病」の発生が、県南部で確認され、県病害虫防除所は、病害虫発生予察注意報を発令した。同県内における「コムギうどんこ病」の発生確認は1995年5月、播磨西部地域以来、26年ぶり。同防除所は「発生がまれなだけに生産者も見慣れていないため、発生状況の確認や防除の遅れが懸念される。防除対策の徹底を」と注意喚起している。
播磨地域で発生を確認した。り患すると、光合成が抑制されるため、品質・収量が低下する。
農林水産省の昨年の統計によると、同県丹波市における小麦の作付面積は約52ヘクタール。隣の丹波篠山市によると、同市は約2ヘクタール。秋に播種、冬を越して梅雨までに収穫する。県内では薄力粉の原料となる「シロガネコムギ」という品種が主流という。
同防除所が4月22、23の2日間、小麦の巡回調査を30カ所(丹波地域は未調査)で行ったところ、4割のほ場で発病が認められた。
「コムギうどんこ病」は、カビの一種。下位葉に少し赤みを帯びた白色粉状の病斑が点々と出現し、やがてうどん粉を撒いたような塊になる。葉一面に広がると灰色になっていき、さらに進むとカビの中に黒い小さな粒ができる。この先もうどんこ病の発病に適した気候が続くとして、警戒を強めている。
防除の留意点として、▽発生を確認したら速やかに薬剤防除を行う▽赤かび病との同時防除が可能だが、うどんこ病は、下位葉から上位葉に向けて進展するため、散布量を使用基準内で多めに設定し、株元まで薬剤が届くように散布する▽り患株の残渣やこぼれ麦は次作の伝染源になるため、前年に発生したほ場では特に注意する―などとしている。