誰の仕業? 正体不明の畑荒らし頻発 犯人の姿確認できず

2021.05.17
地域

被害に遭った足立さんの畑。ジャガイモが一畝全て引き抜かれている=2021年5月12日午後零時39分、兵庫県丹波市氷上町常楽で

兵庫県丹波市氷上町常楽で、何者かに畑を荒らされる被害が頻発している。記者が調べただけでも6軒確認できた。いずれも住宅密集地で発生しているが、深夜から明け方の犯行なのか、犯人の姿を見た者はいない。住民たちは「イノシシの仕業やろ」「いや、人かも」「全滅や。今年はもうあかん」「腹が立つなあ。もうがっかりやわ」 「次はあんたの所に来るわ」 などと、正体不明の畑荒らしの話題で持ちきりだ。

被害者の一人、足立洋子さんは、周囲を住宅に囲まれた約100平方メートルの畑で、タマネギやスイカ、キュウリ、ナスなどの野菜のほか、色とりどりの花を育てている。

“事件”は11日に起きた。ジャガイモが2株引き抜かれていた。「あれ、なんでやろ」。不審に思ったがさほど気にも留めなかった。しかし、これは始まりに過ぎなかった―。

翌12日の朝、長さ約6メートルの畝に2条で植えていたジャガイモが全て引き抜かれていた。「もうショックで。朝からごはんものどを通りません」と足立さん。引き抜かれた株はいずれも畝の外に向かって整然と放射状に倒れている。引き抜かれた株元の周囲には、収穫するにはまだ早すぎる親指大の小さな芋が転がっている。

周囲に獣の足跡は見当たらず、食べ残しすらない。あまりに整った引き抜かれ方に人の仕業も疑っている。「奈良に住んでいる息子が休日に帰ってきて一緒に植えたジャガイモ。収穫を楽しみにしていた息子になんて伝えたらよいのやら」と肩を落とす。

周囲の家でも同様の手口でジャガイモが被害に遭っており、ユリ根が掘り採られた事案もある。

これまでにもキュウリなどが野生動物によって食べられるといった小さな被害はあったが、これほど大規模な畑荒らしは初めてという。

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