20年ぶり新知事誕生へ 7月に選挙戦 井戸知事退任受け

2021.05.30
地域選挙

兵庫県知事を5期務め、退任を表明している井戸知事=2020年11月12日午後7時18分、兵庫県丹波市柏原町柏原で

任期満了に伴う兵庫県知事選(7月18日投開票)が、7月1日の告示まで1カ月に迫った。5期務めた井戸敏三・現知事の退任を受け、20年ぶりに新しい知事が誕生する選挙となる。これまでに、いずれも無所属新人の4人が立候補を表明している。

4人は50音順で、前副知事の金沢和夫氏(64)、元県議の金田峰生氏(55)=共産推薦=、前大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)=自民、維新推薦=、元加西市長の中川暢三氏(65)。

金沢氏

金沢氏は神奈川県出身。東京大学卒業後、旧自治省(現総務省)に入省。1998年から4年間、兵庫県に出向。2004年から4年間、熊本県副知事、10年から今年3月まで兵庫県副知事を務めた。

金田氏

金田氏は神戸市長田区出身。日本福祉大を卒業後、兵庫県保険医協会に入り、99年から県議を1期務めた。党国会議員団兵庫事務所長。05年の兵庫県知事選などに立ったが、いずれも落選した。

斎藤氏

斎藤氏は神戸市須磨区出身。東京大学卒業後、2002年に総務省に入省。東日本大震災後、宮城県の市町村課長や財政課長を歴任し、18年から大阪府財政課長を務めた。

中川氏

中川氏は加西市出身。2005年から2期6年、加西市長を務め、12年に公募制度で大阪市北区長に起用され、14年まで務めた。17年の兵庫県知事選などに立候補し、いずれも落選した。

候補者擁立を巡っては、県議会最大会派の自民党が分裂し、構図が複雑化している。支援候補を巡り党本部は、最大会派「自民党」を離脱した石川憲幸県議(65)=兵庫県丹波市選出=が広報を務める「自民党兵庫」(12人)や、兵庫5区選出で自民党県連会長の谷公一氏(69)ら国会議員などが推す斎藤氏を推薦することを決めた。

石川県議は、「コロナ禍にあって、行政運営には手堅さに加え、若い人による斬新で柔軟な発想が必要だ。斎藤氏は各地への出向経験もあり、過疎地対策にも造詣が深い」と話している。

一方、小西隆紀県議(55)=同県丹波篠山市選出=が幹事長を務める「自民党」(32人)は金沢氏を支持。小西県議は「新型コロナウイルス感染拡大の国難の時期に行政の継続性が必要。県立病院や健康福祉事務所、各市町のことが分かり、広い兵庫5国を生かし切れる知事が必要」と支持理由を話している。

また日本維新の会はすでに斎藤氏の推薦を決定。立憲民主党県連は5月23日、金沢氏を支援する方針を決めた。公明党県本部は態度を明らかにしていない。

酒井隆明丹波篠山市長は井戸知事の参画と協働の県政を評価し、その後継者として金沢氏の支持を表明。林時彦丹波市長は態度を保留しており、「丹波市としては、丹波県民局の存続と丹波医療センターの充実、市立看護専門学校の運営協力を求めることに変わりない。これらに対する各立候補予定者の考えを聞いた上で、誰を支持するのかを決めたい」と話した。

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