新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が沖縄県を除いて解除され、兵庫県などは「まん延防止等重点措置」に移行している。感染者が比較的少ない同県丹波地域(丹波市、丹波篠山市)は、重点措置は適用されないものの、県の要請により飲食店の営業は午後9時まで、酒類提供は同8時まで。“条件付き”だが、酒類提供が約2カ月ぶりに再開されたものの、市内の飲食店は以前のように客足が戻るのか不安を抱えたままの再スタートを切った。
早速、酒類提供を再開した市内のある飲食店は、「(緊急事態宣言中は)ほとんど商売になっていなかった」とこぼす。最初の宣言の際は、行政の支援策もあり、テークアウトの注文がまずまず入ったが、今回はあまりなかった。
条件付きとはいえ、酒類提供の再開に、「やっとかという、ほっとした気持ちでいるが、その反面、人が動き出して再び感染拡大につながらないかという恐怖もある」と複雑な心境を吐露。席数を減らしたり、パーテーション、消毒液、「おしゃべりは控えめに」のプレートを設置したりの対策は当分の間続け、客に安心して来店してもらえる環境を整える。「国や県の指示に従うほかない。早く普通に商売ができる世の中になれば」と話した。
宣言期間中は夜の営業をやめていた別の飲食店は、「酒を出せるから夜営業を再開するが、果たしてどれほどの客が戻るのか未知数」と不安をのぞかせる。県は時短営業に応じた事業者には協力金を支給するとしているが、「どれほどもらえるのか。少ない金額ならいらないから、遅くまで営業させてほしい」と本音を語った。