兵庫県丹波市青垣町の認定こども園あおがきの年長園児(32人)が、たくさんのリンゴをもらったお礼に「ありがとう」の気持ちを込めた手紙を届けようとこのほど、同市内のコープ柏原を訪問。中西良栄店長(47)に「リンゴ、おいしかったよ。ありがとう」と声を揃え、模造紙に折り紙のリンゴを貼るなどして作った大きな手紙を手渡した。
訪問の際には市内の観光バス会社2社が地域貢献活動として展開している無償送迎バスを利用。安田千代園長は「『お礼がしたい』と園児の発案で始まった取り組み。子どもたちの心が育っていることを実感できた出来事。コープさんにもバス会社にも感謝です」と喜んでいた。
園児たちから元気いっぱいの感謝の言葉と、手作りのかわいらしい手紙を受け取った中西店長は、「素敵なお手紙ありがとう。お店に飾りますね。お家に帰ったらママやパパにお買い物はコープでと言ってね」と笑った。
今年4月、コープ柏原は販売できない規格外のリンゴを大量に抱えた。「捨てるのはもったいない」と、以前からフードドライブ(余剰食品を持ち寄って必要とする人に届ける取り組み)で縁のあった市社会福祉協議会に相談したところ、認定こども園に寄付する提案を受けた。社協が全13園に連絡し、リンゴを必要とする園を募った。
80個程度を譲り受けた同園は、調理師がジャムやパイに加工。園児らは舌鼓を打った。
「おいしかったとお礼が言いたい」と園児たちから声が上がり、ちょうど郵便屋さんごっこがはやっていることもあって、園児たちが1枚の模造紙に、折り紙のリンゴをたくさん貼り付けたり、リンゴのイラストに色を塗ったりして大きな手紙を製作。「コロナが収まったら届けに行こうね」と訪問のタイミングを計っていた。
ちょうどそのころ、同市内の大伸観光と丸茂観光バスが、「子どもは地域の財産。園児たちの思い出づくりのお手伝いができたら」と、市内全ての認定こども園に対し、園の行事に大型観光バスを無償で利用してもらおうと希望を募っていた。同園は「大きな観光バスに乗る機会なんてめったにないこと。良い思い出づくりにもなるのでは」と申し込んだという。